[HEADLINE]下北沢を制覇するべく企画真っ最中、ORCALAND全員インタビュー

下北沢を拠点とする4人組バンド、ORCALAND。下北沢で開催中の12か月連続企画「ジントリ」についてや楽曲の制作方法について、賑やかに語ってくれた。

――まずはみなさんの出会いと結成の経緯を聞かせてください。

こーてぃん(Dr):結成は2019年の9月です。元々僕と京哉がバンドを組んでたんですけど、解散して、新しくバンドをやりたいなと思ったんです。4人ともサークルが一緒で、おとやんは大学が違うんですけど、京哉と俺の高校のときの1個上の先輩で、サークルには所属していて。祥輝とは、京哉と俺が前にやっていたバンドが高校2年生のとき、軽音楽部連盟の大会で出会っていたんです。それでボーカルは祥輝がいいなと思って誘って。当時おとやんはサポートでやってもらって、事務所所属とともにメンバーに加入しました。なので出会いは高校とサークル。ある程度人間関係が出来上がった状態でスタートできたので、友達の期間が長い状態から付き合ったみたいな感じです。(笑)

大塚祥輝(Vo,Gt):めっちゃそれ言おうとした!「友達の状態から付き合ったみたい」って。

おとやん(Ba):だからにやにやしてたのか。(笑) 

――みなさんはバンド名を名乗る際拠点として「下北沢from茶沢通り」を挙げていますが、その理由というと?

村田京哉(Gt):僕らの練習場所が、茶沢通りのすぐ近くにある三軒茶屋のスタジオファミリアっていうところだったんですけど。そこでたくさん練習に入っていたのがルーツです。

大塚:あとはうちの事務所の先輩にWiennersがいるんですけど、Wiennersってライブのときに「吉祥寺from弁天通り」って言うんです。通りの名前まで言うの、めっちゃかっこいいなと思って。それで俺らも通りの名前を言おうということになり、ちょうど茶沢通り付近のスタジオに入っていたので、じゃあ茶沢通りでという感じで。最初は全然慣れなかったんですけど、もう定着しました。

こーてぃん:あと「from下北沢」みたいなバンドがいっぱいいたから、区別というか。自分たちっぽいものが欲しいっていうのもありました。

――(笑) みなさんは現在、12ヶ月連続企画「ジントリ」を下北沢のライブハウスでやっているじゃないですか。3月まで終わったところですが、手ごたえはいかがですか?

村田:率直に大変ですね。1ヶ月ごとに場所を変えてコンセプトも変えているので、それぞれの内装も凝ったり、一つひとつのライブハウスに合わせた色でやっていかないといけないのが大変だなと。でもお客さんの反応がすごくいいので、自分たちが積み上げて作ってきたものが着実に評価されていってるなという手応えは感じます。

大塚:下北以外の地域や地方に行っても「ジントリ」の話をされるんです。下北以外でも「ジントリ」に行きたいという声はだいぶ聞くようになりました。

――「ジントリ」のテーマやコンセプトはどのように決めたんですか?

こーてぃん:漠然と12ヶ月連続企画が決まっていたんですけど、コンセプトをしっかり持たないと駄目だろうと思って。例えば「下北沢にて」だと下北沢全体を盛り上げるみたいなコンセプトがありますし、ただの12か月連続企画になるのもなと思って。

村田:それでいろいろ考えた結果、下北沢を制覇するっていう目的にしようと。「from下北沢」って名乗ってる以上、下北沢を代表するだけじゃなくて下北沢が一番インディーズ界で熱い街にしていかないといけないという気持ちがあったんです。そのためにまずは下北沢のライブハウスをひとつずつ回って、下北沢をどんどん陣取っていこうという意味で「ジントリ」という名前になりました。

大塚:せっかくそういう名前になったんだったらコンセプトも和の方がいいんじゃないかと思って、歴史の用語を取り入れたり。会場とイベント内容とタイトルをミーティングのときに考えるんです。例えば4月は俺の弾き語りイベントなんですけど、弾き語りにするというのも会場やその雰囲気から弾き語りの日を作ろうとういう話になり、決まりました。なのでライブハウスを先に決めて、ライブハウスの色にどう合わせていけるのかみたいな感じで考えています。ただやりたいことをやってるだけの日もあるんですけど。(笑)

――1月の公演を現地で観させていただいたんですが、MCもすごく面白かったです。

こーてぃん:ござる口調を入れたらそれっぽくなるかな、みたいな感じでしたね。

大塚:浅はか。(笑)

――ライブを観ていて、歌が中心にあった上でまとまっているバンドだなと感じたんですが、歌を一番に届けるといったことはバンドとして意識していることでもあるんですか?

大塚:そうですね。俺たちが人にいいねって言ってもらえるようになったのが、歌を大事にし始めてからだと思っていて。みんな楽器が好きなので、最初の方にはやりたいことをやってまとめてる時期があったんです。ただORCALANDとしては歌が中心にあって、その上で各楽器が鳴っているみたいなスタイルが一番いいなと思って。なので歌を中心に作っていこうというのはバンドを動かしていく上でのひとつの指針かもしれないです。

――そうだったんですね。

大塚:そもそも俺が、キャッチーなものだったり1、2回聴いてすぐ覚えちゃう歌が大好きなんです。そういうものを届けたいとなったらやっぱり歌が聞こえないと意味ないし、歌詞もちょっと面白い日本語とか普段使わないような日本語、逆に普段使うけど歌ではあまり聞いたことない言葉を使いたいなと思っています。

――それで言うと、”反省している”はまさに歌詞では中々見ない日本語ですし、それを全員で叫んでるというのも新鮮ですよね。

大塚:これは完全にキャッチーな言葉を入れたくてできたものですね。あと対バンとかを見ていて、いいなと思ったアレンジとかアイデアはどんどん取り入れていきたいタイプなんです。全員で歌うのは、対バンで全員で歌ってるバンドを見ていいなと思ったので、やってみようっていう。

――いろんなものを見て、いいと思ったものを柔軟に取り入れていくという。曲は大塚さんが作っている場合が多いんですか?

大塚:そうですね。基本俺が作っていて、たまにギターの京哉も作ったり、歌詞を書いたり。

――大塚さんは曲を作る際、どの部分から作り始めるんですか?

大塚:イントロからですね。曲の頭で面白くなかったら聞けないと思うので。それかサビ。「絶対覚えさせるぞ」という気持ちで作っています。

――覚えさせるという部分が軸にあるんですね。

大塚:そろそろ違うこともやりたいですけどね。(笑) でも俺の中でずっとある芯ではあります。

――曲はしっかり形を作ってからメンバーと共有するんですか?

大塚:そうですね。聞いて面白くないと人に聞かせられなくて。逆に聞いて面白かったらベースやギターが入ってなくても送るときもあります。

――一番最近リリースされた”言え”はどんな曲になっていますか?

村田:”言え”は祥輝がほとんどひとりで作った曲です。

おとやん:ほぼできている状態でデモが来て。いつもデモを溜めてくれるんですよ。それを僕がちょくちょく聞いて、「これいいじゃん、作ろうよ」みたいな話をして。周りにも聞かせてみたいな感じの流れだった気がします。

大塚:そうだね。俺は結構デモをたくさん作るタイプなんです。たくさん作るがゆえに玉石混交というかいろんなものがあるんですけど、できるたびに「聞いて聞いて」っていうのもなんか忍びなくて……。

おとやん:別にいいのに。(笑)

大塚:ひとつにまとめて、定期的に「あ、曲増やしたから良かったら聞いてよ」みたいな感じで言ってるんです。(笑) 普段はデモを入れてもすぐに聞いてもらえないことがあるんですけど、”言え”を入れたときは割とすぐ聞いて、「あれよかったね」みたいな反応が来て。

こーてぃん:でも祥輝のよくも悪くもみたいなところなんですけど、デモに時間をかけた曲がいい曲だと思い込んじゃうんですよ。でも意外と聞く側はそうでもない……とまでは言わないですけど、”言え”みたいにポンと出てきた曲がめっちゃいいときもあるんですよね。

おとやん:最初、僕は「この曲めっちゃいいじゃん!」って言ったのに、すごい短い時間で作ったからかあんまり納得してなくて。

こーてぃん:「でもこっちの方が……」とか言って時間かけた方のデモ出してきたんだよね。(笑)

大塚:いいものだからこそ短い時間でできたのかなって思って自分を納得させるようにしてます。(笑)

――(笑) デモはどんどん書き溜めていくんですね。

大塚:時間があれば自分の脳内を書き留めておくみたいな感じです。歌を入れてないデモがいくつかあって、ある日歌が5曲くらい一気に入るときがあったり。そういうので溜めていきます。リスみたいな。

こーてぃん:(笑) リスって、どこにエサを隠したか分からなくなっちゃうらしいよ。

大塚:俺もよく「デモどれ?」ってなるよ。

おとやん:なってたね。「多分この題名だと思う!」って。(笑)

――最後に、みなさんそれぞれの目標、展望を教えていただけたらと思います。

大塚:当面の目標はやっぱり「ジントリ」成功。あとはこの企画自体ほぼ対バン形式ですし、ORCALANDの冠だけじゃ絶対にできないものなのでそこにも通じるんですけど、仲間を増やしていくっていうのも目標で。やっぱり人のライブに遊びに行ったり、曲を聴いたり、人と関わっていくことを個人的には目標にしています。

村田:僕らが「from下北沢」と名乗ってる以上、この街を代表するバンドになることが目標ですかね。この街を代表するバンドになって、下北沢が日本のバンドシーンで一番優れてる街だとどの町にも思ってもらうことです。

おとやん:僕は目標というにはちょっと大雑把すぎるんですけど、もっと知られたいなという気持ちがめちゃくちゃ強くて。広まることって一番難しいことだと思うんですけど。その目標に対してどう行動していくかを考えながら、できることをやっていこうかなと。目標地点みたいなものはないんですけど、そこを頑張りたいなとは思っています。

こーてぃん:集客をあげるのもそうなんですけど、バンドとしてワンランク上がるために誰かの一番になりたいなと思っています。現時点で、誰かの一番になれてると思うことがあまりなくて。下北沢のバンドで言うとORCALANDが一番好きと思われるようになりたいですね。

written by 村上麗奈



PROFILE

[L→R]村田京哉(Gt),  こーてぃん(Dr), 大塚祥輝(Vo&Gt), おとやん(Ba)

東京下北沢で結成の4人組バンド。
耳に残る歌詞と一度見たら忘れられない情熱的なライブパフォーマンスを武器に知名度を上げている。
特に下北沢で行われるサーキットイベントでは毎回入場規制になる等、今下北沢で最も注目されているバンドの筆頭。
昨年から今年にかけて行われた『No Big Deal Records 10th Anniversary Audition』でグランプリを獲得。
ORCALANDが放つ真っすぐなメッセージは、「明日への希望」を与えてくれるだろう。

RELEASE

2023.5.31(水)0:00
Digital Single「やめちまいてぇ」Release‼︎


ORCALAND presents 十二ヶ月連続企画”ジントリ”第六章「四闘・橙一揆」

2023/06/23 (fri)
下北沢ReG

OPEN 18:30 / START 19:00
Adv: ¥2,500 / Drink別
w/ 東京、君がいない街 浪漫派マシュマロ AMUSEMENT LAGER
チケットぴあ


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